ストックホルムのプライド・パレード[プライドの歴史]

スウェーデン

こんにちは、suzukaです。

皆さんは、プライド・パレードに参加したり見に行ったことがありますか?

私は先週初めてストックホルムでプライド・パレードを見に行ったのですが、スウェーデン最大のプライド・パレードで多くの人で賑わっていました。

本記事では、スウェーデンのプライド・パレードの歴史などをご紹介し、ストックホルムのプライド・パレードのレポートをしたいと思います。

ぜひご覧ください。

この記事を読むと

  • スウェーデンでの初プライド・パレードについて知ることができる。
  • ストックホルムのプライド・パレード2022がどのようなものだったかわかる。
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プライド・パレードの歴史

まずは、ストックホルムのプライド・パレードの内容をお伝えする前に、世界初のプライド・パレードとスウェーデン初のプライド・パレードについてご紹介します。

世界初プライド・パレード

現在、スウェーデン問わず世界各地で「プライド・パレード」が開催されていますが、この社会運動は1969年にニューヨークで起こった「ストーンウォールの反乱(Stonewall riots)」が発祥とされています。

ストーンウォールの反乱は、1969年6月28日にLGBTQバー(当時はゲイバーとして親しまれる)の「ストーンウォール・イン(Stonewall inn)」に警察が踏み込み捜査を行った際に、LGBTQ当事者が警察に抵抗して暴動に発展した出来事を指します。

翌年の1970年6月にはストーンウォールの反乱を受けて、性的マイノリティーの権利を守るためのデモ行進が行われました。

この社会運動が今日見られる「プライド・パレード」として、世界に大きな影響を与えました。

スウェーデン初プライド・パレード

スウェーデンも例外ではなく、ストーンウォールの反乱に触発され、1971年5月にÖrebroでスウェーデン初かつヨーロッパ初のプライド・パレードが開催されました。

「プライド・パレード」と言っても約15人ほどの小規模なものでした。

参加していたのは、20人ほどが参加していた地元の協会「ゲイ・パワー・クラブ(Gay Power Club)」。

「同性の二人が結婚する権利を持つべきだ」ということを要求していました。

デモ当日は言葉を発さず、静かにそれぞれの主張が書かれたプラカードを持って街を行進しました。

プラカードには、以下のような主張が書かれていました。

“Kunskaper raserar fördomar” 知識は偏見を崩すのだ
“Sexuell jämlikhet” 性的平等を
“Alla har lika värde” 皆んな同じ価値を持っている

このデモ行進に参加し、「知識は偏見を崩すのだ」のプラカードを掲げていたVanja Södergrenさんは2021年にAftonbladet新聞社の取材に対して、このように述べています。

Vi ville ju synas och höras och tala om att vi fanns

私たちは見てもらいたかった、聞いてもらいたかった、私たちは存在するのだと伝えたかった(筆者翻訳)。

参照 Aftonbladet : Vanja, 73, arrangerade Sveriges första prideparad

2013年から2016年の間に43もの新しいプライドフェスティバルが開始され、現在では50以上ものプライドに関するフェスティバルがスウェーデン国内で行われています

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ストックホルムのプライド・パレード

1977年には、ストックホルムで解放運動日(Frigörelsedagen)が実施され、その後1979年には解放運動週間(Frigörelseveckan)となりました。

これが後に、今日の「ストックホルム・プライド」となります。

ストックホルムのプライド・パレード2022

2022年8月1日から8月7日までの一週間、ストックホルムではプライド週間として、プライドに関する催し物が多く開催されました。

テーマには「色を認める時だ」(Dags att erkänna färg)が掲げられました。

ストックホルムのプライド・パレードは約50,000の参加者と約500 000の観客のスウェーデン最大のパレードで、今年2022年8月6日にコロナ情勢により2年ぶりに開催されました。

参加者らはスタート地点である市庁舎(Stadshuset)からÖstermalm競技場(Östermalms IP)までの4.5kmを行進しました。

以下の写真は、そのパレードの様子。

画像が粗く、撮影テクニックもありませんがご了承ください。

プライド・パレードの様子

(橋の上から撮影しています。とにかく参加者も観客も多いです。)

プライド・パレードの様子

(とにかく人が多いです。レインボーフラッグを掲げた人が多く見られました。)

(トラックから大音量の音楽が。ABBA、Lady Gaga、Aviciiなどの有名曲が多く流れました。)

プライド・パレードの様子

(公的機関である警察庁や刑務所・保護観察庁も参加しました。)

プライド・パレードの様子

(撮影後、消防車からホースで観客に放水するサービスもありました。)

参加者はそれぞれ好きな衣装を身にまとい、踊ったり、楽器を奏でたり、一緒に歌ったりなど、見ていてとても楽しいものでした。

観客もレインボーフラッグを持っていたり、顔にレインボーフラッグのペイントをしていたり、コスチュームを着たりと、たくさんの人がこのプライド・パレードを楽しみにしていたことが伺えました。

パレードの参加者を全て見終えるのには約2時間半ほどかかり、とても見応えがありました。

個人的に注目の参加者

多くの団体や個人の参加が見受けられましたが、以下では私の注目する参加者をご紹介したいと思います。

政治家

多くの政党もプライド・パレードに参加しました。

スウェーデン民主党(Sverigedemokraterna)以外の政党が、党首を先頭にして行進しました。

現首相Magdalena Anderssonの姿も見られ、1990年代からプライド・パレードに参加しているようです。

Stolta föräldrar

Stolta föräldrar

HTBQI+の子どもを誇りに思っている親(Stolta föräldrar till hbtqi+barn)の団体。

LGBTQ当事者だけではなく、親もこのプライド・パレードに賛同して自らパレードに参加しているのを見たときは感銘を受けました。

若者だけではなく、年齢層が高い人も多く見られたのが強く印象に残っています。

ウクライナ

ウクライナ

プライド・パレードは、LGBTQの権利だけではなく、すべての人の権利を守るとして、今年はウクライナも参加しました。

Expressen新聞社によると、プライド・パレードの募金活動を通してウクライナをサポートができるということです(参照 Expressen : Hundratusentals besökare när Stockholms Prideparad gör comeback)。

ウクライナの権利や戦争に関しての立場を表明する機会を得て、多くの人がまだ戦争は終わっていないというのを改めて実感できたのではないでしょうか。

台湾

台湾

台湾は、アジアで初めて同性婚が法認された国。

2019年に認められてから、今まででアジアで同性婚が認められている唯一の国です。

いつか日本も同性婚が認められる国として参加できるのでしょうか。

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まとめ

以上、スウェーデンのプライド・パレードの歴史やストックホルムのプライド・パレードの様子をご紹介しました。

プライド・パレードは日本で見られるよりも大きなイベントで、政治家や一般人など多くの人が注目し、意欲的に参加していると感じました。

当事者でなくとも、社会問題について目を向けることが、皆んなの権利を守ることにつながるなど、色々なことを考えさせられる機会でもありました。

皆さんに、プライド・パレードについての様子が感じられたり、この記事が少しでも役に立ったら幸いです。

本記事をお読みになっていただきありがとうございました。Tack och vi ses!

参照:

東京レインボープライド : プライドパレードを知る
Aftonbladet : Vanja, 73, arrangerade Sveriges första prideparad
Omni : Andersson:Fantastiskt och viktigt att gå i Pride
RFSL : Pridemanual
公式ページ Stockholm Pride

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