こんにちは、suzukaです。
ストックホルムに滞在されている方はもうご存知のはず。
ストックホルムで居住先を探すのがいかに困難なことか・・・。
住まい探しはスウェーデン人にとっても難しいこと。
私はパートナーが住んでいた学生アパートにただ乗り込んだので、自ら一人で住まい探しをしたことはないのですが、今年3月(2022年)に他の学生アパートに引っ越ししたので、その当時の様子をアパート探しの過程からお金を請求されるところ(!)まで備忘録として残したいと思います。
引っ越しする上での手続きに関する注意点などもご紹介しているので、是非お見逃しなく。
アパート探し
まず私たちが行ったアパート探しの方法からご紹介します。アパート探しには主に2つのホームページを利用しました。
アパート探しで共通して言えることは、定期的に物件が更新されているかどうかを確認することです。
Bostadsförmedlingen
アパート探しに利用したホームページの一つ目は、Bostadsförmedlingenです。
対象者は、
- 18歳以上であること。
- パーソナルナンバーもしくはコーディネーションナンバーを所有していること。
<例外>上記のナンバーを所有していなくても、留学生であれば生年月日とメールアドレスで登録が可能です。(参考: Bostadsförmedlingen/Registrera dig hos Bostadsförmedlingen)
Bostadsförmedlingenの利用には年会費200krを支払う必要があります。
掲載されている物件は一般的な賃貸物件、学生アパート、若者、高齢者向けなど、様々な種類のものがあります。
そして、Bostadsförmedlingenでの一般的な賃貸契約に要する期間の平均は、なんと9.2年!!!
住処にありつけるまでに約9年・・・!?
なぜこんなにも時間がかかるのかというと、Kösystem(列システム)というものを採用していて、Ködagar(列に並ぶ日数)が多くなければ契約に有り付けないからです。
「列に並ぶ日数」はポイントのようなもので、登録した日が1日とカウントされるとすると1ポイントを獲得。その後、1日経つとともに1ポイントを獲得することができます。合計30日間列に並んでいると30ポイントとなり、ポイントが最も多い人から優先され賃貸契約をすることができるというわけです。
それぞれの物件のページで、何人がリクエストを送信し、その中で最も多いポイントを所有している人のポイント数を見ることができます。
1980年代または1990年代から列に並んでいる人も多数いるようなのですが、彼らは30〜40年間も列に並んでいるということになり、若い人やBostadsförmedlingenに登録するのが遅いほど契約には不利と言えます。
しかし、住居を獲得できるかはタイミング、運にも左右されます。そして、地域によっても契約できる可能性は異なり、やはり中心部よりも郊外の方がより住まいを見つけやすい傾向にあるでしょう。
実際、パートナーが以前契約をした際には、約90日間列に並び、郊外にある学生アパートを見つけることができました(ワンルーム25㎡で月5,500kr)。
今回もBostadsförmedlingenを利用して幾つかリクエストを送ってみましたが、残念ながら契約には至りませんでした。
次に学生向けのものをご紹介します。
Stockholms studentbostäder(SSSB)
ストックホルムの住宅不足の問題を懸念して、学生に住居が行き届くように設立されたのがStockholms studentbostäderです。
対象者は、
- ストックホルムで高等教育を受けている学生であること。
- 1セメスター当たり、少なくとも一週間に20時間の授業を受け、少なくとも15単位(högskolepoäng)またはそれに相当する成績を収めていること。
- 学生自治会(student-/elevkår)に所属していること。
(参考: Stockholms studentbostäder/Våra boendevillkor)
SSSBの利用は無料ですが、学生自治会に所属するためには自治会費を払うことになるかと思います。
*それぞれの学生自治会によって会費は異なるようです。詳しくはこちら。
毎週月曜日と木曜日に新しい物件が更新されるため、大事なチャンスを逃さないよう定期的にホームページを確認するようにしていました。
こちらもKösystem(列システム)を採用しており、SSSBで登録してから賃貸契約までの平均期間は、キッチンや浴室などの共用スペースのある学生アパート(いわゆるシェアハウス)は約1年、その他学生アパートは約2年です。
学生向けという対象者が限られているサービスでも最低1年は待つ状況は、いかにストックホルムでの住まい探しが難しいことかを表しているかと思います(ホームページを見ていると1,000ポイント以上所有、すなわち約3年間列に並んでいる人も珍しくはないです)。
私たちは、ホームページと睨めっこしアパートを探し始めてから2か月ほどで、新しい学生アパートを見つけることができました。登録から約600日間、約600ポイントを所有していた時でした。
ワンルーム28㎡、月6,000krで前回よりも値段は高いのですが、その分面積も大きく、パートナーは満足でめでたし。
引っ越しする上での注意点
ここでは引っ越しする上での注意点2つをお伝えします。
届け出を提出する
税務署(Skatteverket)に住所登録をしている方は住所変更届を忘れず提出しましょう(間に合いましたが、私は失念しておりました)。
私はコーディネーションナンバーを所有しているので、こちらのページに掲載されている申請用紙を印刷して郵送しました。引っ越し後、または引っ越し後一週間後以内に申請書が届くようにしておくのがベストみたいです。
詳しくは税務署のホームページをご覧ください(参考: Skatteverket/Flyttanmälan)。
税務署に申請書が届くと、数日後に住所変更について確認の手紙が届きます。そのような手紙が届いたら無事に住所変更は完了です。
確認のための手紙がしばらくしても届かない場合や、住所変更届を提出していないのに受け取った場合は、税務署に連絡するのが良いと思います。
あとは、就業先などへの住所変更手続きもお忘れなく。
お金を請求される
単刀直入に言うと、退去前の掃除が行き届いておらず、2,500krを払うこととなってしまいました。
1日以上かけて頑張って清掃したのですが、努力報われず無念にもこのような結果となりました・・・。
部屋の点検後の退去費用の請求に関するメールが届いた際に、何がダメだったのか聞くと、問題とされる部分の写真が大量に送られてきました。キッチンの壁の拭き残し(?)や、トイレットペーパーホルダーの水垢など・・・。
こうなるのだったら労力も考えて、最初から清掃サービスを頼んだ方が良かったと後悔。
他の人の話を聞くと、幅木の上の埃でお金を請求されたこともあるのだとか・・・。大人しく清掃サービスを利用するのが無難そうだと実感しました。
まとめ
以上、ストックホルム内での引っ越しに関して、アパート探しの現状と方法、引っ越しする上での注意点をご紹介しました。
日本とは異なる、スウェーデンでのユニークな住まい探しの方法は興味深くはありますが、ただ時間が経つのを待って列に並ぶ日数を増やさなければ契約できない・・・という闇も垣間見えました。
他の機会に、需要があればもう少し踏み入ってスウェーデンの住宅事情に関してレポートしたいと思います。
引き続き、皆様に有益となるような備忘録を残していく予定です。
本記事をお読みになっていただきありがとうございました。Tack och vi ses!
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