こんにちは、suzukaです。
今回ご紹介するのはこちら。
『スウェーデンが見えてくる:「ヨーロッパの中の日本人」』
当書を執筆されたのは、2013年から約2年間、在スウェーデン日本国特命全権大使として従事された森元誠二さん。
スウェーデンに関する様々なトピックを扱っており、外交官ならではのスウェーデンでの体験が語られていて、他の書籍にはない魅力が詰まっています。
本記事では、そんな『スウェーデンが見えてくる:「ヨーロッパの中の日本人」』の概要と私が着目したポイントをご紹介します。
こんな方にオススメ
- スウェーデンの様々なトピックについて広く知見を得たい。
- 在スウェーデン日本国特命全権大使としてスウェーデンに滞在した者のスウェーデンの捉え方に興味がある。
- スウェーデンと日本の関係について知りたい。
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『スウェーデンが見えてくる:「ヨーロッパの中の日本人」』の概要
書籍情報
題名: 『スウェーデンが見えてくる:「ヨーロッパの中の日本人」』
著者: 森元誠二
出版社: 新評論
発行年月日: 2017年5月15日
ページ数: 270
あらすじ
41年間にわたる外交官生活の締めくくりとして、私は2013~15年にかけてスウェーデンに日本国大使として駐在した。
本書ではその経験をもとに、タイトル通りスウェーデンという国の特徴を紹介する。金髪碧眼のスウェーデン人が、和の心や中庸の精神、シンプルさを愛でる審美眼など、我々日本人と共通の資質を備えていると言うと意外に思われるかもしれない。と同時に、スウェーデンが極めて規範意識の高い国であって腐敗が少ない事実、またその意識に裏打ちされた目を見張るような国内・外交政策や、「小さな国」の国民が「大きな政府」に信頼を寄せている高福祉国家の実態にも着目する。
ただ、既刊の類書と違って、本書はスウェーデン礼賛に留まってはいない。同国が誇りとする、社民党政権が長年にわたって築き上げてきた福祉や教育の現場で歪みが生じており、国民の不満が昂じて極右政党が国会における第三勢力にまで伸長している現状にも焦点を当てている。(後略)
出典: Amazon
『スウェーデンが見えてくる:「ヨーロッパの中の日本人」』のポイント
ここでは『スウェーデンが見えてくる:「ヨーロッパの中の日本人」』で私が着目したポイント3つをご紹介します。
外交官ならではの視点
繰り返し挙げますが、著者は在スウェーデン日本国大使として従事されていたため、スウェーデンに旅行客として滞在しているだけでは知りえないような情報を当書では得られます。
首相や国王、作家などの著名人とのやりとりから、首都ストックホルムで毎年開催されるノーベル賞授賞式、ノーベル賞に関連したノーベル・ディナー等の行事に参加した時の様子など、外交官とでしか得られないような体験が描かれており、アフターストーリーを垣間見ることもできます。
そして外交官としてスウェーデンにいることに関して、特に私が驚いたのはスウェーデンで外交官はクレジットカードを作ることができないこと。
これは特権免除を享受する外交官がクレジットカードを取得すると、債務を取り損ねる可能性があることを見据えた対策だと言います。
スウェーデンは平等意識が根強く社会だとして、当書でもスウェーデンの平等主義に関して幾つかトピックが取り上げられ言及されていますが、まさか外交官に対する待遇までにも反映されているとは予想だにしていませんでした。
気づいてなくとも平等のための方策が採られている場面があるのかもしれないと、新たな着眼点を得られたような気がします。
外交官の視点からみるスウェーデンを、私たちが知り得ることができるのが当書の魅力の一つだと言えるでしょう。
「ヨーロッパの中の日本人」
サブタイトルともなっている「ヨーロッパの中の日本人」。
ここでは勿論「ヨーロッパの日本人」=スウェーデン人のことを指しています。
では日本から遠く位置する国に住むスウェーデン人が「ヨーロッパの日本人」とはどういう意味なのか。
大使にスウェーデンは「ヨーロッパの日本」だと表現したのは、ノーベル財団のカール=ヘンリック・ヘルディーン理事長だったそうです。
大使もスウェーデン生活を始めて、日本人とスウェーデン人の国民性に類似点が多いことを感じられたようで、当書で両国の共通する精神のあり方について取り上げています。
日本とスウェーデン、両国の国民性が似ているという共通認識を両方で持っているというのは、より親近感が得られます。
日本とスウェーデンを語る上で、特に類似した国民性だと取り上げられるのは興味深いポイントではないでしょうか。
スウェーデンと日本のつながり
スウェーデンで活躍する日本人
日本に魅せられたスウェーデン人
レクサンドと北海道当別町との姉妹都市
科学技術分野での日本とスウェーデンとの協力関係
スウェーデンの林業分野で活躍する日本製品・・・など。
様々な場面で、スウェーデンと日本のつながりが見えてきます。地理的には約8,000km離れていても、前述した国民性に関しても言えますが、遠いように思えて実際には近い関係にあるのではないでしょうか。
あまり表に出なくとも、あらゆる分野でスウェーデンと日本との関係を深め、両国の架け橋となっている方々がたくさんいるのだと気付きました。
当書を読むことで、スウェーデンがより身近な国に、親しみのある国となるかもしれません。
これも大使ならではの視点で、他の書籍にはない知見を得られるようになっています。
まとめ
以上、『スウェーデンが見えてくる:「ヨーロッパの中の日本人」』をご紹介しました。
元在スウェーデン日本国大使が執筆されたことで、他の書籍との差別化が図られています。他のスウェーデン関連書籍を読んでみた方も、当書を一度読んでみることをオススメします。
皆さんも、ぜひご一読ください。
では、本記事をお読みになっていただきありがとうございました。Tack och vi ses!
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