[本の紹介] 『スウェーデンにみる「超高齢社会」の行方』

関連書籍の紹介

こんにちは、suzukaです。

今回ご紹介するのはこちら。

『スウェーデンにみる「超高齢社会」の行方: 義母の看取りからみえてきた福祉』

私がこの書籍を手に取ったのは、著者であるビヤネール多美子さんの記録したスウェーデンの「義母の看取りからみえてきた福祉」がどのようなものなのかに興味を持ったからです。

特にスウェーデンと日本は、世界有数の高齢者大国。日本では2025年には高齢化率が30%になると予想されており、介護問題はいつかは必ずと言っていいほど我が身に降りかかる問題だと言えるでしょう。

当書では著者の義母の末期、スウェーデンの認知症研究、高齢者住宅などの話題が取り上げられ、スウェーデン生活の長い著者がインタビューを通して介護者や被介護者、研究者など生身の人間の声を届けます。

本記事では、そんな『スウェーデンにみる「超高齢社会」の行方: 義母の看取りからみえてきた福祉』の概要と私が着目したポイントをご紹介します。

こんな方にオススメ

  • スウェーデンの福祉社会に興味がある。
  • スウェーデンで高齢者として生きることはどういうことか、日本と比較したい。

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『スウェーデンにみる「超高齢社会」の行方: 義母の看取りからみえてきた福祉』の概要

書籍情報

題名: 『スウェーデンにみる「超高齢社会」の行方: 義母の看取りからみえてきた福祉』
著者: ビヤネール多美子
出版社: ミネルヴァ書房
発行年月日: 2011年2月10日
ページ数: 316

あらすじ

老いた義母とのかかわりからみえてきたスウェーデンの高齢者福祉。スウェーデンの文化や社会的な話題を盛り込み、その行方を語る。また、専門家へのインタビューもまじえながら、先進的な福祉国家と考えられているスウェーデンの福祉について、これからの高齢者福祉の課題と展望を伝える。

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『スウェーデンにみる「超高齢社会」の行方: 義母の看取りからみえてきた福祉』のポイント

私が『スウェーデンにみる「超高齢社会」の行方: 義母の看取りからみえてきた福祉』で注目した3点をご紹介します。

高齢者の取り巻く状況

著者の義母が一人暮らしから高齢者住宅へ引越し、入院、看取られるまでの一連の出来事が記されており、スウェーデンに住む一人の高齢者がどのような最期を過ごしたのかを知ることができます。

彼女が引っ越すこととなった高齢者住宅についてや、高齢者の意見を福祉に反映させる役割を持つストックホルムの高齢者オンブズマン、医療体系に関する問題等について言及されており、スウェーデンの高齢者に取り巻く実際の状況を目にすることとなります

著者は義母以外にも様々な背景を持つ高齢者の話を聞くなどして、スウェーデンで高齢者としてどのような余生を過ごしているのか、高齢者がどのような問題を抱えているのかなども紹介されています。

社会システムの表面だけを知るだけではなく、高齢者の実際の声を聞くことで、本当に彼らがそのサービスを享受できているのかを知ることは重要なことです。

詩に詠う義母の心情

時々の場面に関して義母はその時の心情を詩に詠っており、当書で彼女の詠った詩の幾つかが紹介されています。

特に「わたしの人生」という詩が印象に残っているのですが、彼女は年をとり死に近づいているのを自身でも気づいているのか、その詩の最後には「今、色あせている」という言葉が見られました。

高齢になると今までできていたようなことも難しく、他の人の助けがなければ日常生活を送れないという人も多い。その憤りは要介護に認定されている私の祖母からも感じられることです。

私自身が高齢者になるまで、義母の心情、また私の祖母の心情を100%に理解することは難しいかもしれませんが、高齢者がどのような気持ちでいるのかということにも目を向ける必要性を感じました。

彼女の詩に偽りの心情はなく、ベールで包むことない真っ正直な気持ちが表されていて心が揺さぶられます。

「福祉サービス」について考えるまえに、今身近にいる高齢者に寄り添わなければならないのではないかと考えさせられました。

スウェーデンの特色

世界をリードするアルツハイマー病研究

日本も注目する福祉機器の輸出

スウェーデン生まれの脳機能回復促進音楽療法やタクティール・マッサージ

スウェーデンでは上記のような、高齢社会・介護に関連した特色が見られます。

福祉国家としてスウェーデンらしい制度だなと思いつつ、私が驚いたのは「葬儀税」というもの。

収入の一部を葬儀税として納税し、遺体保存料、遺体運送料、教会使用料等が無料になるというものです。

スウェーデンは高税率で公的福祉が充実しているとされていますが、介護のその後、死に関することまでも税で賄われているとは思いもよりませんでした。

当書でスウェーデンのこれからの問題が見据えられていますが、日本が学べるようなことも依然として多くあるかもしれません。

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まとめ

以上、『スウェーデンにみる「超高齢社会」の行方: 義母の看取りからみえてきた福祉』をご紹介しました。

当書は2011年に出版されたもの。紹介されているデータが今となっては少し昔のものだということは否めませんが、著者が「エッセー風」にまとめていると言うように、スウェーデン社会の表面だけではなく、実際その社会で生きている人々の生活や考えはどのようなものなのかというのを知ることができるのは当書の魅力の一つです。

皆さんも、ぜひご一読ください。

では、本記事をお読みになっていただきありがとうございました。Tack och vi ses!

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