こんにちは、suzukaです。
スウェーデンでワーホリに来たけど、給与明細の見方がわからない!
という方に向けて、本記事では私の実際の給与明細を参考に、給与明細の各事項を解説していきたいと思います。
仕事場や労働団体協約、雇用形態などによって給与明細はかなり異なると思いますが、参考にご覧ください。
それでは見ていきましょう。
※目次長くなってしまいましたが、特に補足はいらないかなと思った所は説明を省かせていただいているので、文章量もすごく多いということではないです。
- スウェーデンの給与明細
- ① Semester 休暇
- ② Skatteuppgifter 税金
- ③ Övriga uppgifter その他
- ④ Tid 時間
- ⑤ 給料
- Månadslön 月給
- Mertid シフト外勤務時間
- Mertid mot kompledighet 代休によるシフト外勤務時間
- Utbetalning av XL-dag 追加休日
- Omvandling arbetsfri dag innev år i pengar 休日手当
- OB-tillägg 時間外、休日及び深夜の割増賃金
- Kostförmån, endast beskattning 食事手当(課税対象)
- Semesterersättning ordinarie sem 有給休暇の補償金
- Semesterlön 有給休暇の給料
- Kompensationsledighet 代休
- Skatteavdrag, ej visad skattsedel 源泉所得税(Skattsedelの提示なし)
- Engångsskatt 臨時税
- Kostavdrag 食事控除
- まとめ
スウェーデンの給与明細
こちらは私がホテルのハウスキーパーとして働いた時の給与明細書です。
特に、これは最終勤務日の後に貰った給与明細なので、色々な情報がてんこ盛り。
明細書に番号を振り分けたので、1から順番に見ていきましょう。
① Semester 休暇
Sem.kvot 休暇比率
休暇法(Semesterlag)によって、就業者に25日間、すなわち5週間の休暇が保障されています。
フルタイムで働いている者に対しては25日間の休暇を付与すれば良いのですが、パートタイムで働いている者が同様に25日間の休暇を得ると、合計5週間以上の休暇となり不公平な条件となってしまいます。
例えば、週1日勤務している就労者に、同じように休暇をもらうと、25週間休めることになってしまいます。
そのようなことが起こらないように、週5勤務をしていない就業者の休暇日数を計算するのに休暇比率(Semesterkvot)というものが使用されます。
休暇比率は、5(一週間の平日の日数)÷一週間の勤務日数で算出されます。
私の休暇比率は1,54。
休暇1日あたり1,54日間/25日間の休暇を消化することとなります。
25日間÷1.54=16.23となり切り上げ。私は17日間の休暇を取得することで、フルタイム就労者同様の5週間の休暇が保障されます。
※職場や年齢にもよって、休暇の総日数は異なります。
Betald sem 有給休暇
有給休暇がある時は、その日数が記載されています。
Obetald sem 無給休暇
無給休暇がある場合は、その日数が記載されています。
Spar år 1- 5 1〜5年以内に繰り越した有給休暇
1年間(一般的には4月1日から3月31日)で20日間以上の有給休暇を取得した者は、最大5日間次年度に繰り越すことができます。
参照 Unionen : Rätt att spara semester
Var av år 5 5年目に繰り越された有給休暇
多くの場合、有給休暇は5年以内に消化しなければなりません。
そのため「1〜5年以内に繰り越した有給休暇」に加えて、このカテゴリーが明細に記載されていると思われます。
参照 Verksamt.se : Semester och semesterdagar
Sem.lön per dag 有給休暇1日当たりの給与
② Skatteuppgifter 税金
Tabell 給与所得の源泉徴収税額表
居住地やスウェーデン教会の会員であるかどうかによって、就業者に異なる給与所得の源泉徴収税額表が割り当てられます。
私の場合は表30、所得税にかかる課税標準額をもとに源泉徴収税額を確認することができます。
税務署の以下のページで、表と表の見方などを確認することができます。
Skatteverket : A – skattsedel och skattetabeller
税務署の以下のページでは、必要事項を記入することで源泉徴収税額を自動で計算してくれます。
Skatteverket : Räkna ut din skatt
Skatt % 税率
今までに受け取った給料明細を見てみても、何も記載されておらず。
なので正確には分からないのですが、この流れから所得税の税率が記載される欄なのではないかと。
Jämkning 調整
複数の職場で働いている場合や、夏にしか働いていない場合は、いわゆる年末調整時に所得税の過払い分や不足分がかなり大きくなってしまうことも。
そのようなことが起こらないために、調整を申請することで初めから正しい税徴収をしてもらうことができます。
私の場合は、調整をしてもらっていないので何も記載されていません。
参照 Skatteverket : Jämkning – betala rätt skatt från början
Underlag tabellskatt 所得税にかかる課税標準額
明細には、月給、シフト外勤務時間、代休によるシフト外勤務時間、時間外、休日及び深夜の割増賃金、食事手当(課税対象)の合計が反映されています。
Underlag engångsskatt 臨時税にかかる課税標準額
明細には、休日手当(Omvandling arbetsfri dag innev år i pengar)、有給休暇の補償金(Semesterersättning)、有給休暇の給料(Semesterlön)の合計が反映されています。
Skatt perioden 1期の税金
1ヶ月分の税金の支払いとして、所得税(Skatteavdrag)と臨時税(Engångsskatt)の合計が反映されています。
Skatt året 1年の税金
③ Övriga uppgifter その他
ここでは、あまり説明を加えていませんが、明細には手当などの情報についてまとめられています。
Personal kategori 就業者カテゴリー
ここでは月給制の就業者(Månadsavlönad arbetare)として、登録されています。
Arbetsplats 仕事場
仕事場(arbetsplats)の横に数字が記載されているのですが、何を意味するのか正直なところわからなかったので、念のため黒塗りしました。
推測となりますが、それぞれの職場に与えられている番号ではないかと思います。
特にここは気にしなくても良いのかと(知っている人がいれば教えてください)。
Bruttolön 額面
Bruttolön året 1年の額面
Kostförmån året 1年の食事手当
Dricks året 1年のチップ
Friskvård året 1年の健康増進手当
Annan förmån året 1年のその他の手当
④ Tid 時間
ここでもあまり説明を加えていませんが、文字通りそれぞれの時間/日数が記載されています。
Arbetade tim 勤務時間
Frånvaro tim 欠勤時間
Kompsaldo 残存の代休時間
XL dagar 追加の休日
サービス業など週末や祝日関わらず勤務している人々に対して、他の労働分野で働く者と公平となるように、追加の休暇日(XL-dag : Extra ledighetsdagar)というのがHRFの労働団体協約(HRF:s kollektivavtal)に設けられています。
Över/mertid året 残業/シフト外勤務時間
⑤ 給料
Månadslön 月給
この基本給の合計(Belopp)11 530krに対して、以下の項目で差し引きが行われます。
Mertid シフト外勤務時間
上司に頼まれて、シフト外勤務を行ったので、月給に上乗せされました。
合計時間(Antal)に時給(Á-pris)を掛け合わせると、総額(Belopp)となります。
例えば、5月13日分の日給は、6時間×134.07kr=804,42krとなります。
Mertid mot kompledighet 代休によるシフト外勤務時間
振替休日によって、このシフト外勤務の給料は日給として換算されず、基本給に含まれることになっています。
そのため、合計額は0となっています。
Utbetalning av XL-dag 追加休日
サービス業など週末や祝日関わらず勤務している人々に対して、他の労働分野で働く者と公平となるように、追加の休日(XL-dag : Extra ledighetsdagar)というのがHRFの労働団体協約(HRF:s kollektivavtal)に設けられています。
私は1日分の休日を得たのですが(4月18日のペンテコステ: Annandag påsk)、その月の明細にはIntjänade XL dagと記載されていました。
Omvandling arbetsfri dag innev år i pengar 休日手当
上記の追加された休日を消化していなかったので、月給の1/22の給与を得ました。
OB-tillägg 時間外、休日及び深夜の割増賃金
OB-tilläggは、時間外、休日及び深夜の割増賃金のことです。
私の働いていた職場では、日曜出勤をすると賃金割増となりました。
明細を見ると、24時間の合計(Antal)に対して一時間当たり24.09kr(Á-pris)の割増賃金で24時間×24.09krとなり、総額578.16kr(Belopp)の手当となっています。
Kostförmån, endast beskattning 食事手当(課税対象)
17回職場で昼食をとり、1回あたりの食事手当は51kr。
17回(Antal)×51kr(Á-pris)で総額867kr(Belopp)の食事手当を受けました。
Semesterersättning ordinarie sem 有給休暇の補償金
辞職する際、消化していなかった前年度の有給休暇は休暇補償(Semesterersättning)として支払われました。
休暇比率(Sem.kvot)によると17日間の有給休暇を保有するとありますが、私は前年度(一般的には4月1日から3月31日)1年間勤務していなかったので、以下のような方法で有給休暇の日数を算出します。
前年度(一般的には4月1日から3月31日)の勤務期間×25(保証されている休暇の日数)÷365(1年間の総日数)=有給休暇の日数
私の場合は、
136日×25日÷365日=9.3日間
切り上げられ、10日間の有給休暇を有していることが分かります。
10日間(Antal)×685.95kr(有給休暇1日当たりの給与: Á-pris)で給与されました。
参照 Verksamt.se : Semester och semesterdagar
Semesterlön 有給休暇の給料
消化していなかった今年度(一般的には4月1日から3月31日)の有給休暇が、給料として支払われました。
今年度も1年間勤務していなかったので、有給休暇の補償金(Semesterersättning)でご紹介したものと同じ方法で、有給休暇の日数を算出します。
今年度(一般的には4月1日から3月31日)の勤務期間×25(保証されている休暇の日数)÷365(1年間の総日数)=有給休暇の日数
私の場合は、
61日×25日÷365日=4.1日間
切り上げられ、5日間の有給を有していることが分かります。
5日間(Antal)×698.65kr(有給休暇1日当たりの給与: Á-pris)で給与されました。
Kompensationsledighet 代休
欠勤時間(Frånvaro tim)にも反映されています。
Skatteavdrag, ej visad skattsedel 源泉所得税(Skattsedelの提示なし)
就業者の給料から差し引かれ、雇用者によって税務署に支払われる源泉所得税。
Skattsedelは税務署が発行した証明書のようなもので、雇用者がそれぞれの就業者に対してどの給与所得の源泉徴収税額表を利用すれば良いのかが示されています(ここでは一般的なA-skattsedel源泉所得税を指す)。
A – skattsedelを雇用者に提出する義務はありませんが、雇用者が要求した場合や、特にスウェーデン国籍を持たない人がスウェーデンで就労の権利を有することを証明するためにも利用されるようです。
就業先が就業者の源泉所得税に関する情報を税務署から入手することもできるので、私の場合は面接の際に居住カードを提示し、Skattsedelの提出は求められませんでした。
Skattsedelを提出していないので私が勤務していた職場では、給与所得の源泉徴収税額表(Tabell)で示される数値とその10%が加算されたものを適用していたみたいです。
もちろん差額は確定申告時に調整されます。
参照
Skattefakta.nu : A – skattsedel
Verksamt.se : Skatteavdrag vid utbetalning av lön
A-skattに関する申請は、こちらの記事でも紹介しています。
Engångsskatt 臨時税
基本給などの定期的に支払われるもの以外で、例えば有給休暇の賃金に対して差し引かれる所得税。
明細では、休日手当(Omvandling arbetsfri dag innev år i pengar)、有給休暇の補償金(Semesterersättning)、有給休暇の給料(Semesterlön)が臨時税の対象となり、これらの合計の30%が徴収されています。
参照 Skatteverket : Engångsbelopp
Kostavdrag 食事控除
食事手当と同じように明細を読みます。17回(Antal)×49kr(Á-pris)で総額833kr(Belopp)の食事控除を受けました。
まとめ
以上、私の実際の給与明細を参考に、給与明細を解説してみました。
特に私はフルタイムで働いておらず、働き方が不規則だったので計算など大変でしたが・・・じっくり明細を読んでいなかったので勉強になりました。
はじめにあった通り仕事場や労働団体協約、雇用形態などによって、給与明細は私のものとは異なります。
なので、不明な点があれば雇用者などに確認するようにしましょう。
引き続き、皆様に有益となるような備忘録を残していく予定です。
本記事をお読みになっていただきありがとうございました。Tack och vi ses!
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